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オフィスに百合は咲きません 3巻〈とまどいラブホテル〉 レビュー

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出版社の世界で“お見合い婚活”に巻き込まれた瀬戸口立夏は、「最悪の相手」と思っていた有理と再会する。オフィスという日常の延長線でありながら、思いがけない場面設定が百合作品としての入口を鮮やかに開いている。

普段とは異なるシチュエーションで織りなされる有理の破天荒なアプローチがコミカルで、それ以上に立夏の胸中に小さな軋みを生む。言葉の裏にちらりと見える不器用さや、関係の揺れに反応する二人の表情から、友情と恋情の境目を気づかぬほど丁寧に辿る筆致が優しく響く。

構成は一見ギャグ寄りにも見えるが、笑いの裏で積み重ねられる「会話のすれ違い」「一瞬の視線」が実はこの巻の核心となっている。人と人の間に静かにこぼれる「間」の豊かさで読後の心に柔らかな陰影を残す—そんな描き口が特別な心地よさを生む。