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ななせ悠による再録集で、過去の読みきり4作が一冊にまとまる。コルセットの少女たちや、おやゆび姫の物語を改変したもの、おばあちゃん同士の可憐な関係、そして女中とお嬢様という視点の逆転など、それぞれ異なる視点を持つ短編が、手軽ながら意外な深みを漂わせる始まり。
どの短編にも共通するのは、異なる世代や設定を横断しながら「女と女の関係」をしっかりと描こうとする筆致。描き下ろし小話では、お嬢様がコルセットに固執し、制作者であるコルセティエールとの奇妙な依存と信頼の関係が描かれ、軽やかさの陰に秘めた複雑な感情が胸に響く。
全体を貫くのは、童話的な幻想と現実的な感情の均衡。派手な展開ではなく、登場人物たちのささやかな決意や表情の機微によって、読み終えたあとも心に小さな刻印を残す。情緒の深さだけでなく、言葉にならない共感が胸の隅で広がる仕掛けとして効いている。