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シロップ NIGHT 初夜百合アンソロジー レビュー

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『シロップ NIGHT 初夜百合アンソロジー』は、女性同士の“はじめて”を多作家で描く企画本。夜という時間帯が、女の子同士の関係に微細な陰影を与える。初夜の光と音の描写が、百合の親密さに現実味を与える。装丁も好印象。

女の子同士の初夜像を具体に提示し、身体の近さを通路に、心理の揺れを掬い取る短編が多く、百合の甘さと緊張が同居。恋愛に踏み出す直前の逡巡、踏み出した後の静けさを、それぞれの作家性が異なるリズムで奏でる。百合の視線設計が的確で、触れる・離れるの距離制御が想像を刺激する。

一方でテーマの縛りゆえに似た調子が重なる箇所もあり、構成上の緩急が弱まる瞬間がある。とはいえ初夜を感傷に寄せすぎない短編もあり、百合の幅を保つ。恋愛の入口を多角的に見せる編集判断が光る。作家間の粒立てを意識した並び替えがあると、百合の多彩さがさらに映えたはずだ。総じて満足度は高い。小品も佳い。