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静かな灯火のように、さまざまな「百合」が集う短篇集。pixiv出身の新鋭から実力派作家まで、多彩な声がひとつの文庫に集う構成は、このジャンルの今を雄弁に語る。恋慕、友愛、情念……言葉にしづらい感情のうねりを拾い上げる視線が丁寧で、読み手をそっと包み込む。
記憶の奥に刻まれるような短篇たちは、それぞれが異なる色合いを持ちながらも、どの作品にも「同じ性を想うことの光と影」がほんのり漂う。ファンタジーや没入的な舞台設定の変化球も刺激的で、日常の延長線上にある「百合」ではない何かが胸に残る。作家たちによるおすすめ百合同士の結びつきや著者紹介も、深く寄り添う読後感を育てる。
短篇という形式ゆえ余白が多いが、その静寂が余計な言葉をそぎ落とし、感情の輪郭を際立たせる。ページを閉じたあとも、誰かへの想いの熱をほのかに感じさせる余韻が残る。物語の余韻を抱えながら、次の百合を探したくなる。
twitterでの反応やあれこれ。
『百合小説コレクション wiz』読了。大袈裟でなく全編が最高だった。文学の最前線はここ、つまり百合にあり、なのかもしれないと思わされるほど。女性主人公の話ばかりだからか共感できる部分がすごく多かった。小野繙「あの日、私たちはバスに乗った」の衝撃は忘れがたい。2023年必読のアンソロジー。 pic.twitter.com/Q7nJgZgcT5
— りこ (@pistolstar_1742) March 18, 2023
X(旧twitter)より引用
さすがに文学の最前線が百合ということはないだろうが、一部の作家の場合、そう言いたくなるの文才がある方もいるのは事実。アンソロジーなので、当然作家によって好みがわかれるのはご愛嬌。
百合小説コレクションwiz 河出文庫 9784309419435
— c-3po@本が好き (@c3pomotohonzuki) February 20, 2023
わかりやすい記号なんてなくても当事者にはわかる「関係性」の短編集。
ある意味で真逆だが「嘘つき姫」と「魔術師の恋その他の物語」が特に好み。
特に前者の複雑な関係性が。
「答えなんてどこにもなくて、愛だけがあるのさ。たぶんね」
2/20読了 pic.twitter.com/lDA3Mjg6vT
X(旧twitter)より引用
人でも趣味でも、とにかく「好きなものは好き」。そこに理由なんてなくていい。その意味で百合の本質をついているかもしれない。