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この巻では、幼馴染だったふたりの距離が、じわりと変わる瞬間にそっと触れることができる。杉山月詩が群咲陽花への想いを自覚し、伝えようとする動きは、焦りと期待が入り混じる。一見軽やかに見える恋の始まりの背後には、言葉では表せない揺れがある。「百合」として描かれるふたりの関わりは、甘さだけでなく、心の奥の繊細な手触りを持っている。
読んでいる最中に胸がどうしても高鳴るのは、告白の期待とそれにまつわる少しの不安が同居するから。両片想いがようやく進展する展開は、まるでわずかな呼吸の間に光が差すようで、ページをめくる手が自然とゆるむ。夢現(ゆめうつつ)の柔らかいトーンと、日常の中にひそむ緊張感のバランスが絶妙。
構成は主にふたりの対話と内面の描写で成り立ち、余白を大切にすることで感情の余韻をひろげている。海の場面など舞台の描写も適度に添えられ、空気や気配が浮かぶ。それまでのすれ違いがゆっくりほぐれ、静かに温かさが広がる。次の進展を思い描く読後には、そっと未来を願う気持ちが残る。
twitterでの反応やあれこれ。
『夢でフラれてはじまる百合 (3)』#bookwalker
— ボイス沼った人@感想呟き (@voi3_yr) August 4, 2025
うーん、可愛すぎてキレてしまいそうになる
王道展開はなんぼあってもいいですからね https://t.co/1rA6Nn3TTV
X(旧twitter)より引用
王道という意味ではやはり、初心者にもおすすめできる。上級者にとっては物足りないと感じることもあるだろうが、変わった作品を読んだ後に戻ってくると幸せになれるだろう。